待ち人。
十二番隊隊首室。
辺りは夕刻を過ぎ、真っ暗闇。
詰所からそう遠くは無いの自室。
なので、今日は遅くまで残業。
隊長の浦原喜助も一緒に。
とは恋人同士。
二年前からの、長い付き合い。
隊首室のソファーの上で
お茶を啜りながら、ふたりで寄り添う。
それでも
やっぱりの顔は深刻で。
浦原は困ったように笑った。
「直ぐ帰ってきますって」
「・・・追放されるほどの罪を犯した人が?」
「・・・・・それは・・・・」
「・・・喜助さんは裏切る人では無いと信じてます。」
「・・・・」
「けど・・・・その約束は・・・選択肢が”裏切る”しか無い。」
「・・・・・そ・・ッスか・・?」
「・・・戻って来れなくても・・あたしはずっと喜助さんの恋人。」
熱い湯飲みを置き、
ふぅと息を吐く。
つられて浦原も湯飲みを置いた。
短くて長い沈黙が流れる。
コチコチという時計の音が
五月蝿いくらいに響き渡る。
「・・・・・・喜助さんは・・・・あたしのコト忘れちゃう?」
「そんなワケないッスよ!」
「ふふっ・・・・そっか・・・・」
「・・・・・でも。」
「?」
「刻み付けておきたい事があります。」
「・・何処に・・・?」
は分からないような顔をしながら
浦原を見る。
そんなの頬を撫でながら、
無言で口付けた。
軽く離し、また塞ぎ。
次第に深くなる口付け。
角度を変え、の唇を吸う。
絡まる舌と
漏れる声。
少しずつ部屋を包む。
離れる唇の間には
切なく光る糸が紡ぐ。
「・・・・さんの身体に・・・・アタシを残して行きますから・・」
「え・・?」
低く言い放ち、の言葉を待つ前に
華奢な身体を押し倒す。
ソファーの上に広がるの髪の毛。
ギシッという無機質な音。
戸惑いを隠せないの瞳を
浦原が安心させるように頬に口付けた。
そっとの死覇装を脱がして行き、
首筋に舌を這わす。
時々、甘く噛むと
象徴するような赤い跡が付く。
それを無数に付けていく浦原。
一言も発さない浦原を
はただただ受け止めていた。
「・・・・んっ・・・・ぁあ・・」
胸を直に揉み解し
露になった片方に吸い付く。
突起を舌で刺激すると、から可愛い声が漏れる。
満足そうに聞き入れ、
たっぷりと胸への愛撫をする。
大きくなる息遣いと
大きくなる甘い声が
浦原の理性をことごとく崩していく。
優しい愛撫が
激しい愛を伝えるかのように強くなった。
「ふぁ・・・・やっ・・喜助・・さんっ」
「・・・濡れてますよ?」
「やぁぁっ」
秘部を下着越しから触れ
クチュッと音を鳴らしてを恥らわす。
真っ赤に火照った頬に
麗しい瞳。
愛しくて
愛しくて
言葉では言い表せられない愛。
愛してる
愛してる
・・・離れたくない。
いつしか、浦原の瞳には
たくさんの涙が溜まっていた。
ぐっと堪えてるのに、
どうしても流してしまいそう。
浦原は、気付かれないように顔を伏せた。
すると
の暖かい手が
浦原の頬を滑った。
驚いた浦原は愛撫を止め、
の前に顔を出した。
泣きそうになっている瞳のまま。
「やっぱり・・・・泣いてる・・」
「!これは・・・・・」
「・・・・そんな顔されたらあたしだって泣いちゃうじゃん・・・」
「・・・・・・」
「・・喜助さんだけじゃないんだよ?離れたくないのは。」
「・・・・ハイ・・。」
「阿近さんだって・・ニヤけおじさんだって・・・眼鏡ちゃんだって・・・・・」
「・・ハイ・・・」
「・・・・あたしだって・・・誰よりも離れたくないと思ってるから・・・・」
上体を起こし、
浦原と向き合う。
涙が流れそうな瞳が映る。
の瞳にも
雫が溜まる。
再度頬に手を当て
薄暗い部屋の輪郭を確かめる。
どちらともなく
口付けを交わす。
「・・・・・愛してます・・・」
「・・・あたしもだよ・・!馬鹿ぁ・・・!」
「・・・すみません・・・・」
「行かないでよぉ・・・!何でっ・・・・あたしを置いて行くの・・!?」
「・・・・」
「帰って来てよ・・・!絶対に・・・・!」
「ハイ・・!」
「・・・・・ずっと待ってるからね・・!」
浦原を強く抱き締め
耐え切れない想いを流す。
大粒の涙が溢れ
痛いくらいに心も泣き叫ぶ。
浦原も、そんなを抱き締め返し
静かに涙を零した。
永遠というモノがこの世にあったなら
あたしは迷わず其れを掴む。
永遠に貴方を待ちつづける。
必ず
必ず会えるから。
もし
永遠が無くても
この身体が果てて無くなるまで
貴方を待ち続ける。
「・・・・おや、めずらしいッスね。見ました?テッサイ」
「いえ、何をですかな?」
「女の子の死神がね、さっき店の前を・・・・・・・」
・・・・カタン。
思わず
手にしていた扇子を落とす。
テッサイが其れを不思議に思いながら取り
店の前を凝視する浦原に渡す。
テッサイもその視線を追うと・・・・
「・・・・・・・・・さん・・・・・」
真っ黒な髪の毛。
大きな瞳。
華奢な身体。
あの斬魄刀・・・・
どれを取っても、・・本人。
気付けば浦原は店を飛び出し、
ウロウロする死神の手を取った。
ビクッと肩を震わせ、恐る恐るこちらを向く人物。
紛れも無く。
「・・・さん・・・・!」
「喜助・・さん・・?」
今まで
どれだけこの人を夢見ていただろう。
今
この手を取る貴方は
夢では無いのですね・・?
会えた。
会えた。
愛しい人に。
愛しい愛しい待ち人に・・。
END
★ ★ ★ ★ 後 書 き ★ ★ ★ ★
終わり方が・・!難しい・・・!!(死
駄目だ・・喜助第一作目なのにィィィィィイ!
悔しい・・・・うぅ・・。
ごめんなさい。お目汚しを。
喜助ファンさんに至っては土下座します!
大好きな喜助を目指したのに・・・・(およよよよ・・
こんなモノを最後まで読んで下さってありがとうございました!
少しでも、ほんのちっとでもお気に召されたら
お気軽に書き込みしてやってください(切実
ベッキンガム宮殿まで飛びます。(いらんわ。
2005.04.06. 管理人 まるこ。